にほんばしかわら版 令和3年夏季号
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 これらのシナリオにおいて、東京湾内で想定される津波の高さがそれほど大きくないのは、東京湾の入口にあたる浦賀水道が津波の入りにくい海底地形を有しているためです。しかし、区東部などに存在する海抜ゼロメートル地帯では、地震の揺れや液状化により海岸保全施設などが沈下・損壊し、浸水が生じる可能性があります。 これら物的・人的被害に加え、停電、断水、インターネット障害などのライフラインの被害、膨大な避難者・帰宅困難者や渋滞といった混乱、そして中枢機能麻痺による社会的・経済的な被害も想定されています。① 電気関係出火の防止:感電ブレーカーなどの設置② 初期消火成功率の向上:家庭用消火器・簡易消火器具などの保有設置及び  風呂水のためおき、火災報知機設置、共助意識の向上、防災訓練の実施、建  物の耐震化及び家具の転倒・落下防止促進など このように甚大な被害が想定される首都圏地震ですが、事前の対策により、被害を大きく減少させることができると期待されています。 まず、中央防災会議の報告書では、建築物の被害が死者発生の主な要因であり、火災の延焼などの被害拡大の原因でもあることから、あらゆる地震対策の前提として建築物の耐震化が挙げられています。例えば耐震化率が%となった場合、揺れに伴う建物倒壊よる死者は約,人(平成年の耐震化率で想定される被害に対し%減)、全壊棟数は約.万棟(同%減)にまで減少すると試算されています(図)。 また、地震火災においては初期の出火を阻止することも重要であり、①電気関係出火の防止、②初期消火成功率の向上といった対策(下記参照)が進められると、火災による死者は約人(%減)、焼失棟数は約.万棟(%減)にまで減らすことができると見込まれています。図:建物の耐震化率ごとの被害の評価出典:内閣府政策統括官(防災担当)、「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)【別添資料】 ~人的・物的被害(定量的な被害)~」、P7より抜粋 被害を軽減するためには、企業や個々人による主体的な備えが重要です。首都圏における地震リスクを正しく理解し、地震発生時に人命や事業を守れるように適切な備えを行いましょう。.被害を減らす事前の対策

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