た信頼を得られる道であることを、身をもって知りました。相互協議の現場を離れてもなお、仕事をする上で大切にしています。 相互協議の他、国際会議や国際支援などの仕事を通じて、様々な国の税務職員に出会い、その文化にも触れることができたことは、税務職員人生で得られた貴重な財産です。できれば、退職後にできるだけ多くの国を訪れ、旧交をあたためたり、思い出の地を家族と巡ってみたりしたいと思っています。 着任後すぐに、法人会の皆様をはじめ、平素御協力いただいている関係民間団体の方々に着任のご挨拶をさせていただきました。その際にお会いしたすべての方から、日本橋地域への深い愛着と、地域を支えているという自負と誇りを強く感じました。改めてこの地域の歴史と伝統は、「ひと」が紡いでいっているということを実感いたしました。またその一方で、新しいマンションや施設が新しい住民を呼び込み、また再開発などによって、移転する法人もあれば、移転してくる法人もあり、変化することを厭わない一面を持つ街であることも分かりました。このような歴史や伝統と時代が融合した、唯一無二の魅力を持つ日本橋地域を所管する税務署の長として、税務行政に携わることができますのは大変光栄ですし、その重責に身が引き締まります。 私自身これまで中央区の日本橋地区にはあまりなじみがなかったので、毎日街を歩くのが新鮮です。日本橋や人形町を舞台とした小説などを読み返し、登場する場所や道を確認しながら通勤を楽しんでいます。私はほとんどお酒が飲めないので、居酒屋でももっぱら食べるのが専門ですが、管内にはそそられる飲食店が軒を連ねており、在任中できるだけ多くの店の味を堪能したいと思っています。 手前味噌になりますが、日本の税務職員の研修制度は、職務に必要な専門知識を授けるものとして、世界の中でも他に類を見ないほど充実しており、実務的かつ実践的でその内容も非常に濃いものとなっています。もちろん、研修終了後の不断の自己研鑽は欠かせませんが、税務署に配置されている税務職員は、経験の差や勤務によって得られた専門知識の差こそあれ、一人一人が税務のプロフェッショナルであり、納税者の皆さんもそう期待されていると思います。我々の使命は、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する。」ことであり、税務職員に対する国民の信頼がなければ、使命を果たすことはできません。したがって、私は税務署長として、職員には、税務の専門家、プロフェッショナルとしての自覚と矜恃をもって仕事に当たって欲しいと思っています。 お気づきの点があれば忌憚のないご意見を賜り、信頼される税務行政の推進に努めて飯田 永介 広報委員長�日本橋税務署長に着任されて、日本橋管内にどのような印象をお持ちですか?日本橋税務署長としての抱負をお聞かせください。
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